クックサーブ(通常調理)・クックチル・クックフリーズ・真空調理のすべてを含めた調理を「新調理システム」といいます。その中でも真空調理を主体にした調理システムを「真空調理システム」といい、合理的かつ美味しい料理の提供を可能にします。
1960年代にスウェーデンの病院で研究が始まったが、実用化には至らず1974年、フランスのジョルジュ・プラリュ氏がフォアグラの歩留まりを最小限に抑える調理法として開発。1980年代、フランスのジョエル・ロビション氏が列車食堂で高級料理の提供にこの方法を採用し、本格的に日本でも1986年に当時ハイランドリゾート料理長だった、谷孝之先生が独自に開発。現在ホテル、レストランをはじめ福祉施設、病院、学校給食にも導入され、広まっている
真空パックすることで素材の風味や旨味が閉じ込められ、浸透圧により調味料が均一に染み込むことで、少ない調味料で、よりおいしい料理の提供が可能になり、栄養素の損失を少なくし、酸化による劣化を防ぐことができます。食材に最適な温度帯で加熱調理ができる為、水分含有量の多い料理が仕上がり、高齢者にも食べやすい、軟らかい食事が提供できます。時間(Time)・温度(Temperature)管理をもとにしたマニュアルによる調理を行うため、料理の品質がより安定し、選択メニューや個別対応・時間差対応が容易に行う事が出来ます。
T・T(温度・時間)管理はHACCAPの理論にかない、安全性が向上。徹底した衛生管理と品質管理で食中毒防止にも大きく貢献。真空調理したものを急速冷却し、袋のままの衛生的な状態でチルド帯や冷凍で保存ができ、計画的な調理が可能です。 配食・ケータリングの配送においても、個別対応ができ、衛生的で無駄を最小限に抑える理想的な形態で運ぶことができます。
事前の仕込みが可能な為、調理作業が標準化し、生産効率が大幅にアップするので、計画的な労務管理が実現できます。 アイドルタイムを利用したパートの活用、早朝出勤の遅延化で、人件費の削減にも大きく貢献します。
T・T管理によるレシピでの調理で、未熟練者でも熟練者同様の料理が作れます。 食事満足を得られる事により、利用者の喫食率、喫食意欲の向上につながり、食材の歩留まりがよく、高効率な食材利用が可能です。
01.食材搬入
02.下処理(加熱した場合急速冷却)
03.真空梱包
04.一次加熱(55℃~99℃)
05.急速冷却(90分以内に芯温3℃以下)
06.保存(チルド帯:5日 冷凍:1カ月)
07.提供加熱(芯温75℃)
08.提供(提供加熱後60分以内)
1下処理をした食材を調味料などと一緒に専用のフィルムに入れ、真空包装することで食材に含まれる空気を抜き、密閉する
■真空包装するメリット
2密閉した後、フィルムごと低温(55℃~95℃)で一定時間加熱する
フィルムを鍋代わりとして使います。その時、肉・魚・野菜・果物などそれぞれの素材に合った温度で加熱調理することでやわらかく、おいしく調理することができます。
3そのまま提供する場合もあるが、保存する場合はフィルムに入ったまま急速冷却をしてチルド帯または冷凍保存しておく
ここではフィルムは容器の役割をして衛生的に保存をします。
4温提供のものは提供加熱(温めなおし)をして、フィルムから出して器に盛り付け、提供する